彼女は何か言いたげ。

口にだすほどでもないことを言葉にする

ダンケルク観た(ネタバレ注意)

話題作らしい映画ダンケルク観ました。

池袋の映画館で観ました。

劇場はほとんど席が空いていて、1人で来る男性の方が多くカップルは少しだけいました。

劇場のガラガラ感に不安を抱えつつ、後ろにいた女性の香水臭さが気になりながら広告を観つつ、劇場に行く前にタバコを吸っておけば良かったなぁと思いつつ、ポップコーンの残量が心もとないなと思いつつ映画は始まりました。

 

開始5秒でそんな気持ちはすべて吹き飛ばされたかのように戦場に引き込まれました。

 

とにかくド迫力の音響でまるで劇場に爆撃や銃が打たれたかのような錯覚に陥りました。

登場人物の情報は最後まで何一つなく、ただ間近で戦場の様子を観させられているような感覚。

爆撃で飛び散る海水や砂が呆然と観続ける私の口に入ってしまって呼吸がしにくくなる錯覚。

とにかく戦場に居続け生き延びようと必死にもがく気持ちだけ持って終始観続けました。

 

前述の通り登場人物の情報は何一つなく、誰かに感情移入することはありませんでした。

なんとか船に乗れた兵士たちの姿に安堵しては、船が爆撃によって沈んでゆき、死なないよう必死に海を渡り生き延びていく兵士たちの姿にまた不安を抱え、終始ハラハラしながら観ていました。

 

その映画の中でひとつだけとても印象深かったセリフがありました。

ラストで兵士たちに食糧を配るシーン。

「自分は生き延びただけです。」

「生き延びただけで立派だよ。」

細かいセリフはちゃんと覚えてないのですが、このセリフがすごい救いだなと思いました。(語彙力がない)

 

あの危機的状況で生き延びたという事実が、それだけですごく立派なことなのです。

ヘリを何台墜落させたとかではなく、生きて帰れたことが立派だと心から思えました。

 

そんな大迫力だった映画を観終わって現実世界に戻ってきたときに、金を出せばいくらでも食えるし水も酒も飲めるしタバコだって吸える事実がとても幸せだなと思いました。

 

そんな私は映画を観て金欠です。

それでも生き抜きます。

 

 

余談ですが、学校で落ちこぼれと言っていた船で死んでしまった青年があまりにも大学時代の先輩に似ていたので彼が映るたびに先輩を思い出して、そのシーンだけ集中できませんでした。ラストの新聞のシーンも本当は感動的だったんだろうけれど、心のなかで「あっ、○○先輩…」とずっと思ってました。